【今月の教化部長の言葉】令和3年3月

今ここ道場

教化部長 鈴木幸利

 

 あれ? 4日じゃないのとびっくりしましたが、今年の立春は2月3日でした。 立春の日が1日早くなるのは明治30年以来、124年ぶりです。 地球は太陽の周りを一年間かけて一周しますが、正確に言うと、365、2422・・・日かかるそうです。 4年に1日「 うるう年 」で調整しているのですが、それでも誤差が生じ、立春の日が年によって若干変動するのだそうです。

 

 

 さて、今月は塩沼亮潤( りょうじゅん )大阿闍梨という方の話をしたいと思います。 この方は、生と死の境を彷徨うほどすさまじいと言われる「 大峯千日回峰行 」と生きて成就する確率50%といわれる「 四無行 」を成し遂げた方で、1300年の歴史で達成したのはたった2人だそうです。 大峯千日回峰行とは、年間120日という定められた期間に、午前0時にお堂を出発し、険しい山道を1日往復48キロ、途中一118ヶ所の神社や祠で般若心経を唱え、ひたすら16時間歩き続ける。 満行には9年の歳月がかかる。 一度行に入ると何があっても途中でやめることは出来ず、万が一やめなければならない時は、身につけている短刀で切腹するか、首をくくって命を絶つという厳しい掟があります。 「 修行をしながら涙が出てくる。 苦しくて涙が出るのではなく、自分の身体に謝っている。 辛いこと苦しいことではなく感謝の気持ちしか湧いてこない。 膝に水が溜まったり、高熱や下痢で体が動かない日もあったがそれにとらわれず『 そうきたか、じゃあどうやって乗り切ってやろうか 』と楽しむ自分がおりました 」と語られます。23歳からはじめて31歳で満行、その1年後に四無行という修行に入られます。 これは、食べない、飲まない、寝ない、横にならない、を9日間続けるという壮絶な荒行です。 行の間は1日20万遍の真言を唱え続けます。 5日目からは1日1回口を濯ぐことが許されるが、なみなみと注がれた器の水を口に含みすすいだ後、別の器に吐き出し、その水が少しでも最初の量より減っていたらそこで修行は終了。 生きて成就する確率は50%。 故に四無行に入る前には親や親戚を呼んで、生き葬式を行うのだそうです。

 

 

 これだけの荒行をなし終えて悟ったこととは「 自分の身体を極限まで追い込まなくても、日常の繰り返しの生活の中で、出来る修行がものすごくたくさんあること。 山の行より里の行。 山の行はひたすら自分に向き合って自分を磨く。 里の行は人と人との交わりの中で人間を磨いていく。 一つ一つの出来事にどうしてとか、誰がとか、心をわずらわせず、様々なことをあるがままに受け入れて、この経験に感謝する。 いつも笑っている。 何があっても口角をあげて笑うこと 」と語られています。 「 今ここ道場 」という言葉があります。 今、置かれている所がそのまま修行の場であるということです。

 

 

 塩沼大阿闍梨は、「 私たちは与えられた使命を果たすために生まれてきた。 いつも感謝の心で、どんな人にも敬意をもって接し、いいことも悪いこともつかまずにプラスの方向をみて、今ある今を精一杯生きよ 」と語っておられます。

 

 

 何だか使命行進曲を思いだしますね。 私たちが大好きな使命行進曲。 みんなで手をつないで大きな輪になって腹の底から大声を出して最高の笑顔で歌う姿を心の中で強く強く念じながら、今、出来ることをしっかりやっていきましょう。 今の心が未来の方向を決めるのですからぼやっとはしていられませんよ。 たとえコロナ禍で活動が制限されていようが見る気で見てみれば身の回りにはやれることがたくさんあります。 先月号に書いたキーポイント「 今だから出来ること 」をいくつ見つけるか、そして、挑戦するか。 みなさんいくつ見つけましたか。 そしてチャレンジしていますか。 身近なことで良いのですよ。 私は「 ネットへの挑戦 」「 千巻読誦 」「 ゆっくりじっくり聖典を読む 」「 良い言葉を数取り器を使って言い続ける 」ところから始めています。 みなさんのチャレンジ聞かせて下さいね。