【今月の教化部長の言葉】平成27年4月


事は巡るが故に


教化部長 濵山正幸


 オーストラリア先住民が使う狩猟用の道具にブーメランと云うのがある。 木製の 「く」 の字形で、投げると回転しながら飛んで手元に戻って来るものです。 元に戻る、このことから 「ブーメラン現象」 とか 「ブーメラン効果」 等と言う言葉がある位です。

 吾々が行為してきたことには、必ず原因がありそして結果としての 「今」 である。つまり、自分が行ったことに対するそれ相応の結果が、自身に返ることだと理解すれば分かり易いと思う。 事は巡るのです。



 其処彼処春の巡りにいのち萌ゆ



 例えば、近年、子供の言葉遣いや躾などが取り沙汰されています。 また就学児童の学力の低下ということに到っては、問題視と言うレベルでは済まされない程です。 原因があっての結果ですから、必ず原因がある筈でその原因が何であるか、私見ですが現世代の中にそれがあると思います。

 先の大戦後、疲弊した国家復興の中核とした政策は 「経済発展」 で、先ずは食を満たし着るものを整え住む処を確保する。 このための先人達の労苦は筆舌に尽くし難いものがあった筈。

 その結果、我が国の経済力は世界でも冠たるものとなり、各家庭には様々な家電製品が普及、さらに今日では携帯やスマホのハンランに至る我が国である。 通勤途上の電車の中で見る光景に、大人はもとより高校生たちまでもが、見事な指裁き (?) でスマートフォンに熱中している。

 この現象に対する代償は、子供世代の 「活字離れ」 が進み、学力の低下現象に至ってはいないか。 私見ながら、スマホの使い方に卓越した技量があるにしても、それがそのまま学力の向上に繋がるとは思えない。 我が国は経済発展の影で大事な何かを忘れ去ってしまったのではないか・・・・・・・・・。

 村山幸徳氏著 『 「正法眼蔵」 の経営力』  (PHP研究所刊) と題する書籍がある。 この中で著者は次のように指摘している・・・・・・・・・、



 勉強する子に共通しているのは、両親自身に学びの姿勢があることだ。 親の学習意欲は子供にとってとくに重要で、親が自分と同じことをしている事実は、子供と親の距離を縮め、子供の心に疎外感や孤独感を植えつけにくい。 つまり、子供が勉強しない原因のどこかに親の自堕落がひそんでいるわけで、それを取り除いて、親に学びを取り戻させることが本質的な解決策なのだが、親は自堕落に気がつかない。

            (同書、三十八頁)



 耳の痛い指摘であるがその通りであると思う。 必要なこと、とりわけ正しいと思うことを実行するのにためらいは不要。 現実に、強烈な 「ブーメラン現象」 が次代を担う子供達を襲っている。

 聖典 『新版 希望を叶える365章』 には次のように書かれています・・・・・・・・・、



 誰でも親と云うものは自分の子を愛している。 自分の子に最善のものを遺して置いてやりたいのが親の愛情の表現である。 併しながら子供にとって何が最善の贈り物であるかを知らない人が随分多いのである。

 子供に遺してやるべき最善の遺産は 「真理」 を知らしめてあげると云うことである。

 「真理」 は何時、何処ででも活用すれば、富にも化るし、事業にもなるし、病気を治す薬剤にもなるのである。 

(同書、一八二頁)



 青少年を立派に育てることは親世代共通の務め。 そのため親も子も共に正しいこと、本当のことを学び実践することが何より肝要と心得ます。 本当のこと、即ち 「真理」 を学ぶ環境こそ大切、如何でしょうか。