【今月の教化部長の言葉】平成26年11月


「食」 を巡る現実

           教化部長 濵山正幸  

  

  秋を形容するコトバの一つに 「天高く馬肥ゆる秋」 と言うのがあります。 人馬はもとより、あらゆる生命が食に満たされる秋という意味か。 それほどに秋は、稔り豊かな時節だという訳です。

 今年の愛知県、台風等の影響もさして無く田圃の稲は、黄金の輝きです。 稲作農家の方々の喜び溢れる顔が目に浮かびます。


 

    手に重き黄金色の稲穂かな


 

 かつて熊本の教化部長時代に、次のようなハガキを頂いたことがあります・・・・・・・・・、

 

 

   私の家では、庭が六〇〇坪と三〇〇坪の畑がありますので、家に居るときは庭か畑にいることが多いです。

   神様が地球上に 「土」 というものを作ってくださった事を、驚きと感動をもって見つめています。 種を土預けておけば合掌の芽を伸ばしてくれます。 この不思議さと神秘さに神の御業の尊さを拝せずにおれん。 唯々感謝合掌です。

 

                   

 この方の心境を拝察するに、まさに 「今・此処、天国浄土」 の感ありと、こちらが教えられ感動を覚えた記憶があります。

 ところで、最近読んだ本に 「食」 を巡る将来に、少なからぬ不安を覚える記述がありました。 先に紹介した熊本の信徒さんの観ている世界とは異なり、現実界には寒気を覚えるような世界がある、その一端を垣間見た思いです。

 その本とは、丸紅経済研究所所長 (執筆当時) の柴田明夫氏著 『食料争奪』 (日本経済新聞出版社刊)で、 “日本の食が世界から取り残される日” と、 副題が付いています。

 曰く、 「限りある食料に全世界が群がり始めた。 「爆食」 中国の脅威、エネルギー市場に吸い取られる穀物、激減する水資源」 云々と。

 この書籍の内容は、生長の家総裁・谷口雅宣先生の御著書 『小閑雑感』 シリーズをはじめ、 『今こそ自然から学ぼう』 『足元から平和を』 さらには 『次世代への決断』 等々の記述を、他者が具体的に裏付けしている、との感じを受けるものでした。 読み進む内に次のような箇所がありました・・・・・・・・・、

 

 

   二〇〇七年二月の米CNNのニュースを知ったとき、身が震えるほど驚いた。 米国中のミツバチが忽然といなくなってしまったというのだ。 そんなことがありうるのであろうか。

   CNNによれば、米国の養蜂業者が飼育するミツバチが、女王蜂を除いて、巣箱から大量に失踪するという現象が広がっている。 (中略) 全米の養蜂業者は、過去六ヵ月で五〇~九〇%のミツバチを失ったというのだ。

(同書 六七~六八頁)


 

 ミツバチの大量失踪、確定的な原因はつかめていないらしい。 しかし「顕花植物の四分の三が受粉を必要とし、受粉の最も優れた媒介者がミツバチ」ですから、事は重大です。

 このようなことから、米国の農業生産物の中でもミツバチが受粉を行う農作物が壊滅的な被害を蒙り、世界的な 「食料危機」 が到来するという記述に触れて、遠い他国のことだと傍観者的態度でいられる事態ではない、 との思いに至った訳です。

 何故なら日本は、世界最大の食料輸入大国であり、米国からも大量の農作物を輸入しているのである。

  ミツバチの大量失踪、仮にこれが 「地球温暖化」 の影響だとすれば、私たちは一体どうすべきか。 ここに現在、生長の家が進めている 「神・自然・人間の大調和を実現する 自然と共に伸びる運動」 の必要性があるとともに、この運動の早期実現に参画する人の多きことを願うものです。